嗚呼、ジョセフィーヌはいまいずこ

あとがき 10の質問
トップへ戻る

 

Q,01 タイトルの由来は?

A,ファルコムの旧作「ソーサリアン」にそういう名前のシナリオがあります。(あっちは”今いづこ”ですけど)…昔からどうしても好きだったので、タイトルとして使い、またあちらで登場したジョセフィーヌという子犬も登場させました。あのシナリオでも王家の子だったので、ちょうどいいかなぁと。

 こちらでの登場では、要所とガス抜きに頑張ってくれたと思います。


Q,02 今回のテーマはなんですか?

A,メインは10話そのまんま「主役のいない物語」です。英伝6でのメインメンバー、エステル達がまるでいないリベールという国が、本当に危機を乗り越えられるのか?…という部分です。

 SCで終ったのは表面的な事件であり、また、基本的にはエステルとヨシュアの話、他メンバー達が中心の話だった。…つまり、逆に言えば彼らの話でしかなかったと思います。

 でも、主に登場するサブキャラ達には解決していない事が多かったんじゃないでしょうか?

 その代表が、リシャールやカノーネ、そして周囲の人々です。彼らの苦悩や、戦った兵士。クーデターへ想いや不信、疑心、失敗など色々な情念を抱いているはずだと思ったんです。

 SCで、リシャールやカノーネが《身食らう蛇》の襲撃から王都を救ったからと言って、それで即座に人々から信用されるか、といえばそう上手くいくわけがない。人間はそんなに単純ではないはず。だから、そういった面での軋轢を表現したら面白いんじゃないかと。



Q,03 アネラス、クローゼをメインに持ってきたのは何故ですか?

A,最初は…もう今後の出番がないかもしれないアネラスの話を書いて、ファンとして最後の抵抗をしよう!…と考えたのがキッカケです。(笑
 でも、テーマを考えた時に、絶対必要だったのがクローゼでした。

 彼女も次期女王と決まっただけで、まだ心には「女王という責務」への不安が渦巻いているでしょう。劇中でも言わせてますけど、女王様が偉大なので、その後を継ぐと誓っても不安は残るんじゃないかと。
 …だから、他の人々と同じで、そういう問題を取り上げてみたかった、というわけです。

 で、そのクローゼとは真逆で、アネラスという存在は多くの登場人物とは違い、言葉に囚われない奔放さもある人だと思うんです。だから、立場と考え方の違う2人として扱えるのでGOODでした。

 …で、そうしたらクローゼとアネラス二人が必要だし、SC劇中での二人は、友達というわけでもなかったから、仲良くなれてもいいんじゃないかなーって思いまして。二人が想うエステルという存在とはまた違う、友達同士として出してあげたかったんですよ。


Q,04 ギルバートを敵に持ってきたのは?

A,SCで敵側、執行者達の生死不明だったり、現状で不確定だったので、彼らを出すわけにはいかなかったんです。つまり、敵にできる人がいなかった。
 だけど、ちょうどよくギルバートが残ってました。彼ってハンパ者でしょ? SC劇中でもそうだったように、エリートだと自分で宣言する人間というのは、それにこだわっている人だと思うのです。虚栄心を満たそうという悩みを抱えているんだと思うんです。
 だから、今回のみんな悩んでる話にはちょうどいいな、と。あの人も悩みをぶちまけてほしい、と。


Q,05 一番、扱い易かった人、そして難しかった人は?

A,扱い易かったのはメルツ。とてもメルツが好きです。アネラス好きとは、また別の好きですね。だって完璧に好き勝手に描けるし。あの弱さがたまらないです。

 難しかったのは女王陛下。FC、SC共に劇中では、クローゼという人物をメインに捕らえるという前提があったみたいなので、どうしても彼女自身は脇役として動かなければならなかった。彼女の手腕はおおっぴらに表に出せなかったと思うんです。劇中でそれやったらクローゼの活躍が霞んでしまうから。
 だから今回は使わせていただきました。本当は具体的にこういうスゴイ人なのだ、と表現してみたかったので。
 もちろん、原作イメージの推測ですから、本当の所は違うのかもしれませんけどね。


Q,06 描いてて一番、悩んだ部分は?

A,やっぱり女王陛下関係。……9話で陛下がギルバートとの過去を話す部分です。あそこは完全に作ってしまってますので、それに反感がこないかな、と。
 基本的にノベライズ(二次創作)では、登場キャラ達の事実にない事を作るのはタブーだと思っています。(過去の既成事実を、膨らませるのはともかく)
 だから、そこを入れるとマズイんじゃないかなぁ…って、最後まで悩んでました。考えた末に入れる事にしました。腹が立った方には申し訳ないです。

 でもまあ、それを言ったらジョセフィーヌだって出しちゃダメだったって言われちゃいますけど。


Q,07 カプトゲイエンってなんだったんでしょう?

A,名前はそのまんま、ドイツ語で”掘るための”です。大元のトロイメライって意味はどうなのか知りませんが、私が知っているのはシューマン作のトロイメライって曲だけなので、あれはドイツの曲だから、同じ国の言葉だし…それでいいや〜、と決まりました。語呂がいいので気に入ってましたし。
 中身は劇中の通り、あれ自体もハンパものです。あの”ズルい手”がなければダメロボのままでしたし。…まあ、味方も敵も、人形兵器でさえハンパもの…。そういう話ですから。

Q,08 文中で気をつけたトコロは?

A,死人を出さない事。直接的に血を表現しない事。あんまり連想させない事。これは英伝でのお約束なので、どうしても必要な時にしか使ってません。その辺はビジュアル要素がないので楽でした。


Q,09 一番の誤算は?

A,執筆中に「3rd」が発表&発売される事になった事。SCで彼らの話が終わりだと思っていたので、かなりの食い違いがとめどなく出てきてしまう、と困りました。

 後半では、3rd発売前情報などを取り入れて、うまく合わせようと努力しまくりでした。モルガンが斧を使うとか……苦しい説明だったような気がしてなりません。


Q,10 最後に一言

A,最後まで読んでいただいた方、本当に感謝致します。「空の軌跡」という物語の雰囲気を少しでも感じて、面白味を見出していただけたのなら、これに勝る喜びはありません。

 この話はベストなものではないかもしれない。でも、限りなくベターなものを目指しました。精一杯に描いたつもりです。つたない文章なもので、各所に見苦しい部分があるかもしれませんが、どうか暖かい目で見てやってください。

 ああ、それにしても、なんとか「空の軌跡3rd」発売前に終らせる事ができました。発売4日前です。本当にヒヤヒヤしましたよ。これで安心して3rd遊べます。(笑

 3rdが終った後にやるつもりの、レンが主役のストーリーである【ナイトメアがやってくる!】もよろしければ見に来てやってくださいませ。

 それでは、また……。









トップへ戻る