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────ルーアン市・遊撃士協会 2階 「クルツ! おい、起きろクルツ!! クソッ! なんで起きねぇんだ!!」 アガット先輩が 「……ちくしょう……。そういう…事かよ…。」 アガット先輩が苦々しい表情で歯を食いしばります。見ているだけで恐怖してしまうほど ちょっと…、いや、かなり怖いけど、僕は勇気を出して聞いてみる事にした。 「アガットせんぱい…、なにがそういう事なんスか??」 「話はあとだ! ついて来いっ!!」 そう叫ぶと、先輩はそのまま物凄い勢いで階段を駆け下りて出口へ! 僕は呼ばれるまま、頭からっぽにして えっ! ティータちゃんを先に助けるんじゃないの!? アガット先輩はティータちゃんよりも、街の安全を優先したっていう事?? 確かにそれは大切な事だ。 もしかしたら、逆上したシャムシール団が街の人達を無差別に襲うかもしれない。そんな事させるわけにはいかない! ………………………いかないけど…、 だけど、そうかもしれないけど、それは正しい判断なのかもしれないけどっ! それでも! …それでもさぁ、先輩にはティータちゃんを優先して欲しいなぁ、と思う気持ちが僕のどこかにあった。 ヒドい女に だから僕は、先輩の背中を必死に追いながら、なにか だから僕は、 「アガット先輩! シャムシール団は僕がなんとかするっス! だから、先輩はティータちゃ───」 「心配するな! 俺は冷静だ!」 「───は?」 先輩から返ってきた答えは、まったく会話として成り立ってない。 「いいから黙ってついて来い!」 「は、はぁ…。」 なんだかよく分からない。ちっとも納得できない。 しかしながら先輩を見ていると、確かに焦ってはいるようだけど取り乱しているようには見えないえない。さっき協会支部の2階で、そういう事か、って言ってたけど、それと関係あるのだろうか? 程なく、港の倉庫街にある仮拘置所へとたどり着く僕達。 警戒しつつ、シャムシール団が捕らえられている15番倉庫と歩み寄る。 重々しい倉庫の扉をギリギリ トランプを手に持ち、ビックリした様子でこちらへ振り返るシャムシール団がいた。 「うわぁ! な、なんだ…遊撃士さんか、驚かせないで下さいよ。…なんか、俺達に用ですか?」 円になって座り、トランプとにらめっこしていたシャムシール団、その一人がビックリした顔で聞いてきた。そして残りの3人もこちらに気づくと、声を掛けてくる。 「なんだ〜、ビックリした。…でも、あの恐ろしい女じゃなくて良かった〜。」 「あれ? もしかして俺達が脱獄しないかって見に来たの? いや、あの女が外にいるなら、ここの方が安全でしょ? あ、そのカード 「うおおおおおおお! そのカードはっ! チ、チクショー!」 …などと口を あれ? オアネラの手紙には、鍵を開けておいたって書いてなかった?? これって、どういう事? 「フン…。やっぱりな、そうだと思ったぜ。」 すると、アガット先輩は何か確信めいたようにそう ねえ、どういう事か、わかります??
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